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鉄板焼を食べに行こう 〔rewrite〕
「夜景を見ながら美味しいものを食べようか。」
そう言って男は女を鉄板焼に誘った。しかし女は肉が苦手。だけど男は知っている。そこに伊勢海老のコースがあることを。そして女が海老を好きだってことを。
「凄く食べたいです。楽しみです。」
おそらくこれが二人にとって最後のディナーになるだろう。
男と女は一年半付き合った。歳は一回り違う。毎回ではないが、贅沢な食事が多かった。これは男の性質によると思う。
場所はホテルの13階。ガラスに映る二人越しの夜景を見て、男は何も感じなかったらしいけど、神戸牛のサーロインステーキはとても美味しかったそうだ。
至福の時が過ぎていった。そして男が牛肉を食べ終わる頃、「本日はどうもありがとうございました。」と言って、仕事を終えたシェフが去っていく。
その後、デザートを食べながら女が男にこう言う。
「これっきりというのは嫌です。」
「まあ、これでキッパリさようならというワケではないのだけども、一応の…区切りではあるよ。」
「…はい。」
「美味しかったね。」
「はい。ご馳走様でした。またいつか二人で来れますか…。」
「…。」
二人ともデザートは半分以上残したようだ。お茶で一息ついた後、会計へ向かった。
「○○様、本日はありがとうございました。」とレストランの支配人。
「ご馳走様でした。とても美味しかったです。」
「ありがとうございます。なんでも、○○様はまた△△日においでくださるようで。」
『やっぱり言いやがった!』
男の嫌な予感は的中した。
実は男は予約時にミスを犯していた。この日の予約を取るのと同時に、△△日の予約も一緒にしてしまったのだ。
違う娘と来るというのに…。
この時の男は、しっかりと女の顔を見られなかったが、明らかに「えっ?誰と来るの?」という顔をしているのが息づかいで分かった。
「いや、あの…。僕の名で予約したのですが、来るのはウチの会社の社長なんですよ。取引先の社長が△△日、ここに泊まるっていうんでね、僕はここの鉄板焼が美味しいですよって薦めたんです。そうしたら予約しておいてくれって。」
「左様でございましたか。それでは当日……(略)……。」
突っ込みどころ満載の嘘だったけど、エレベーターで何も言ってこない女を見、男はその場を何とか誤魔化せたとホッとしたそうだ。本当のところはどうだか分からないが。
しかし余計な事を言うホテルマンである。
同時に男は思った。一緒に予約などしなければよかった。こういう風に言われる危険性があると分かっていたのだから、名前を変えて予約するとか、前日に予約するとか方法はいくらでもあったのだ。
男はここで、かつて“スペシャルホテルマン”だった男性の事を思い出した。男とその男性は飲み仲間である。
男はいつもバーで彼が言っていた、ホテルマンとしての美学というか、哲学みたいなものを聞いて感銘を受けていたから、「一流ホテルのホテルマンというのは誰でも、彼のように気が利いて、余計なことを言わないんだろうな。」と思い込んでいた。
これが失敗だった。
さて。
この日、男はカチンと来たのだから、△△日の予約を取り消すかと思いきやそれはしなかった。
だってその日連れてくるのは、ここで二年前「これっきりというのは寂しいね。また来たいなあ。」と言った娘だから。
男は女にダメダメで、同じ事を繰り返し、そして…グルメである。
〔text.The Gag Council〕
〔2006/12/8 rewrite by The Gag Council〕
このログはフィクションです…ということにしておきます!
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