ウタマロ企画会議室

大将は以前「ある事件」を起こしている。僕はその頃、大将が勤務している会社とは関わりが無かったから、オンタイムでその事件に接していたというワケではない。

大将は同じ店で働くバイトのＨちゃんに、これでもかというくらい執拗に迫り、その店に出入り禁止となった。
〔Ｈちゃんについては大将のはなし（２）を参照のこと〕

僕がＨちゃんと仲良くなったのはその後の話。

大将は彼女との想い出（大将曰く何回かデートをし、Ｈちゃんもまんざらではなかったらしい…）を、６年以上経った今でも僕に鮮明に語り続けているのだが、僕がある飲み会のあと彼女の車の中でずっと○を○○でいたとか、彼女が大将のことをもの凄く気持ち悪がっていて、彼が語る想い出全てを「それは彼の妄想です。信じないで下さい。」と斬って捨てていたことなど言えるはずもなく、ああそうだったんですねぇと、ただ聞くだけ聞いている。

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そんな大将と先日飯を食いに行った。そこには大将のその過去の事件を知る仲間が数人居た。

「大将、最近の大将は全然元気が無いですよ。また昔のように事件を起こして、僕らをエキサイトさせてくださいよ。」

僕がそういうと、みんなも面白がって焚き付けること焚き付けること。いやあ皆さん無責任ねぇ。

「やっぱりそうかなあ。じゃあ動いちゃおうかなあ。なんて、代表！俺はもう動き出しているんですよぉ。」
「ホントですか！？誰にですか？」
「それは言えないよぉ。」

大将が動き出している！？あの悪夢が再び！とクラクラしたのだが、誰に動いているのかそこが知りたかった。結局、最後まで大将は言わなかったけど。

その席で僕はＳちゃんのキスマークの話をした。今思うと、一瞬大将の顔色が曇ったような気もする。まあ、今となっては後の祭りだけど。

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キスマーク事件のあと、僕はＳちゃんとフツーに仲良く接していた。特にもうどこかに誘うとかではなく、いつものように適当なことを言って、彼女を爆笑させていた。

一週間前、Ｓちゃんはバイトを辞めた。辞めた主な理由は、彼氏が出来たから、まあそっち（セッ○ス）に全力投球したくてのことだと思うけど、他のバイトから得た情報によると「大将からのメールがしつこくて…」と言っていたそうだ。

うーん、確証はないが、大将は見事僕らの期待に応えてくれたようだ。そして見事に玉砕してくれたのか？だとしたらあっぱれ！…なんだけど、Ｓちゃん辞めちゃったじゃん。せっかく可愛かったのにぃ（涙）

大将のしつこさに耐え、彼を出入り禁止にまで追いやったＨちゃん（現在27歳）からは昭和のスピリットを感じるし、気持ち悪いからといってすぐに辞めてしまったＳちゃん（現在19歳）は、やっぱり今の娘なんだなあと思う。

Ｓちゃんとは今度焼肉を食べにいく約束をしてあるので、その時にでも大将のことを訊いてみるつもりである。

ま、兎にも角にも40で19にコクった（であろう）大将に僕は賛辞を贈りたい。

本人には直接言えないんで、この場を借りて。

大将も風俗行けばいいのに。でも頑なに行かないんだよなあ。

まあ人のチンコのことはどうでもいいか。


〔text.The Gag Council〕

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