ウタマロ企画会議室

Ｋさん（当時５０歳半ば）と会ったのは、４年ほど前。仕事の関係で一日だけ一緒に行動した。

ウチの親父と仲が良いみたいで、「社長とは何度も飲みに行って、お世話になっているから。」と、その日は息子の僕を飲みに誘ってくれた。

ここでまた、僕の名インタビュアーな才能が爆発する。

大抵、おじさんと呼ばれる方々はジブンノコト・シャベリタガリーノという外人さんなので、こちらとしては訊いて欲しいと思われることを瞬時に察知し、話しやすいように話を振り、後はどれだけ気分良く語ってもらうかに気を配ればいい。

ま、そういう僕もジブンノコト・シャベリタガリーノなんだけどね(*・o・*)

普段は家族に無視されるようなことを好青年にじっくりと聞いてもらい、大満足になったＫさんは、急に僕の耳元にそのクチャイお口を近づけてこう言った。

「あのなマロちゃんな。俺…ウ〇ビデオ持ってるのよ。」
「えええええっーー！」

…なんて驚いてみたものの、その時の僕は既に、歌舞伎町でそういう名産物が買えるということを知っていたから、このリアクションは嘘ぴょんなのだ。

ただあまりにもＫさんが「凄いよ！凄いんだよぉ！」と連呼するので、何だか興味が湧いてきて…。

「あのう、Ｋさん。それ送ってもらえませんか？お金は払うので。」
「いいよ、いいよ。送ってあげる。マロちゃんには俺の宝物を観て欲しい。お金なんかいらないよ。」

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送られてきたビデオを観た。

内容は、暗～いごみ捨て場のようなところに、ソープランドのベッドみたいなものが置いてあり、そこで全共闘系の学生のような風貌の男（ただし首から上のみ。上半身は裸。下は何故か緑のジャージを穿いていた。）が、刺青の入った明らかに８９３な女をレイプするというもの。



しかもその女、昭和の古き良き時代の田舎のスナックのママとか、この写真でキムチ漬けてるおばさんのような髪型をしているのである。



レイプなのにゴム姦という、優しいんだか優しくないんだか分からないセックスを終えた後、場面が変わり、おばちゃんはミルマスカラスのようなマスクを付けたガリガリな男と、全くやる気ナッシングなゴム姦。



Ｋさん…確かにモザイクはなかった！そしてある意味凄い！こんなシュールなウ〇ビデオ観たことないです！

でも、まったくヌケないよぉぉぉ

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Ｋさんはこんなビデオでも「宝物」と言っていた。

これは偏に、当時のウ〇ビデオの貴重さが成せるワザであるが、こういう気持ちになれるって凄くないか！？

現代はオモテのみならずウ〇だって、毎月新作が何本もリリースされている。

僕らは明らかに麻痺しているでしょう？

Ｋさんは今でも後生大事に、そのビデオを持っているはずである。

僕から歌舞伎町名物を送るなんてことは…ないなあ。


〔text.The Gag Council〕

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