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二人で酒を ～ wine for two ～ 〔yoshiwara de lunch〕
吉原に到着。
「まずは街並を見てみましょうか。」
そういって吉原の街を案内してくれる竜巻さん。氏はまず街の雰囲気を僕に感じてもらおうとしたワケだが、これは全く持って正しい。
タクシーから降りていきなりビルの個室というのでは趣がない。やはり吉原の雰囲気…建物、そこに居る人間達、空気、におい、重み、歴史など、感じるだけ感じたあとに、あの個室に入ったほうがいい。
これが吉原かあ。一言でいうと「しっとり」していた。歴史の重さがそうさせるのかな。僕は艶っぽさよりも物静かな重さみたいなものを感じた。
今日行く予定の店も確認。もうっドキドキしてきたぢゃないの(*・o・*)
予約の時間まで２時間以上あった。お腹がすいてきた。竜巻さんが「昼食は是非ここで！」と思っていた有名な天麩羅屋さんが、人が並び過ぎて入れなかったため、お隣の「桜肉」を食べさせてくれる店に入った。
歴史を感じさせる店内。メニューを見ると…これが高いのだ。桜なべのロースが一人前1,700円。「量が少ないので、お一人で二人前はペロリと食べられます。」と書いてある。野菜や豆腐などは別々に注文する形式で一皿が大体800円くらい。普通に腹を満たそうとすると、かなりの金額になりそうだ。
結局、桜なべのロースを二人前と各種野菜や豆腐を頼んだ。瓶ビールを飲みながら会話に花を咲かせていると、店員がイライラしながら僕らを見つめている。そう、僕らは会話に夢中で、桜なべをじっくり味わうための火力調整まで気がまわらなかったのだ。
でも僕にとっては、「桜なべ」よりも「竜巻野郎」を味わい尽くす方が大事だったので、店員さんには申し訳ないけど、煮過ぎてカチカチになった桜肉をつまみながら、さらにビールを注ぎ足す。
いい気分になってきた。
「師匠、今日は思い切り贅沢しましょうよ。」
お酒って素晴らしい。こういう発言を容易に出させてくれる。
「そうしましょうか。」
馬刺し（一人前2,000円）を追加オーダー。思い切り精力をつけるエロエロな僕ら。結果、この店で大満足だった。歴史ある店で、昼間からビールを飲み、贅沢に桜なべを食べ…語り合う。
話は弾んだ。それはそうだ、弾まないワケがない。だって竜巻師匠とウタマロ代表だよ。本当に楽しい。やはり師匠は面白いな。
僕はこう言った。
「師匠。僕はね、今回の出逢いで“快楽亭ワールド”を思う存分味わおうとしたわけですよ。」
「うんうん。」
「でも…こんなね、こんな“吉原”なんていうビッグイベント入れられちゃったら、どうしてもこっちがメインになっちゃいますよ。」
「うんうん。」
「師匠…。」
そう言って時計を見る僕。
「代表そろそろ行きますか。」
「はい、お願いします。」
贅沢な会話、贅沢な食事のあとは、さらに贅沢な一時が待っている。
「ご馳走様でした。」
僕らは店を出た。
まぶしい。
見上げると、先程まで曇っていた空から少し太陽が顔を覗かせ、今から行く店までの道を照らしていた。
そんなこともあるんだな。
（つづく）
〔text.The Gag Council 〕
〔2006/6/6 rewrite by The Gag Council〕
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まぶしい。
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A Walk In Yoshiwara : 吉原の中心でイキに遊びたいと小声で呟く
【Wine For Two : ふたりで酒を】の続き昔々、江戸の男たちが吉原遊郭に向かう途中、必ず通ったのが日本堤。山谷から堀、吉原、三ノ輪まで八丁も続いた土手。俗に八丁堤とも言う。JR
