ウタマロ企画会議室

料理のできる男がモテるそうである。女の子の前で軽く、ささっとオシャレでうんまいパスタなんか作った日にゃ、もう、即セックスみたいな風潮なんだそうだ。

ウタマロ代表は、カルピスを日本一適正濃度で作れる能力を持つが、料理にはとんと縁がない。今の流れを読むに、女の子に「はい、君に合った濃度のカルピスだよ。」って差し出しても、どうやらパスタには勝てないとみた。チクショーそれっておかしくないか？

というワケで、物語のほとんどの風景がカルピス色の雪ばかり。コーエン兄弟の『ファーゴ』を観た。



映画通に高評価を受け続けるコーエン兄弟の作品。いつか観ようと思っていて、初めて観たのが『ノーカントリー』。


（ノーカントリーで殺し屋シガー役のハビエル・バルデム。彼なくしてノーカントリーの異常な世界は作り上げられなかったように思う。）

これが秀逸も秀逸で、ウタマロ代表的ここ二年で観た中で№１映画だったから、ファーゴも期待していたのだが…面白いは面白かったけど、ノーカントリーほどではなかった。

ま、世の中、ひょんなことからそうなってしまうのだと。それがどんなに田舎町で、人々が平穏に過ごしていようとも、ひょんなことからああなってしまうのだと。そういう日常生活に潜む狂気は感じられた。ノーカントリーと比べなければ佳作とは言える。ツタヤのセールで１００円で借りられたから、それを考慮すれば、ウタマロ代表に与えた影響コスパはとても大きいし。

嗚呼、あの時、警官に車が発見されなければ…。

たらればの境地。

ノーカントリーもそうだったけど、あの時に金なんか見つけてなければ…と。しかしすべてはそこから始まる。

「人生は小さな選択の連続で構成される」と誰かが言っていた。

後悔先に立たずとはうまく言ったもので、後から悔んでも仕様がないし、後悔とはある事象が起こってから思うものなので、後悔しないように生きろなんてのは、ハナから無理な話なのである。出来るだけ苦痛やリスクを避ける選択を重ねた人生など、面白くもなんともないではないか。

「しないだけ、しようとしないだけで、やろうと思えば料理なんて出来ますよ。」と誰かに言われたことがあるが、しないし、これからもするつもりがないのが僕の選択。

世間からみたら不条理極まりない、独自の論理を貫いている殺し屋シガーが、観ているうちに「もしかしたらヤツは神様なんじゃないか？」と思えてきたように、カルピスの濃度バッチリ！だけでモテる時代が来るはずだと僕は確信している。

さてお嬢さん。

今日はちょっと寒いからホットカルピスはいかがでしょ？



Fargo ファーゴ　予告編


〔text.The Gag Council〕

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