ウタマロ企画会議室

例えば同じ「クリアクリーンプラスホワイトニング薬用ハミガキ アップルミント」（←ウタマロ代表のお気に入り歯磨き粉）を買うなら、出来るだけ安い店で買いたい。それはそうだろう。例えばこっちは258円 で、あっちは278円と言われたらこっちで買う。

だけどどこかのＰＢ商品を持ってこられて、「どうですか？これは98円ですよ。安いでしょ？」と言われても、それにはピンとこない。僕は「クリアクリーンプラスホワイトニング薬用ハミガキ アップルミント」が使いたいのであって、安ければ安いほうがいいと思って選んでないからだ。効能も違うし、味も、磨き心地も違うだろうその商品を、安いからという理由だけでは買わないのだ。

こういう経済状況が何年も続いたせいか、モノを安く買うとか、ともすればモノを買わないことが、お洒落な生き方！クールで賢い！なんていう風潮が感じられるのを面白く思っていない。最初からそういう主義で生きてきた元来のケチの人は認めることができても、そういう流れに乗ってしまうってのが嫌だ。それは一ヵ月前に行われた衆議院選挙で感じた思いと似ている。

なんとなくのってしまうのがいやだ。



「車なんて走れば何でもいいじゃないですか？」という人が居る。それはそれでいいのだけど、「車に1,000万も払うのは馬鹿みたいだ。」と言われると、そういうもんじゃないよと反論したくなる。勿論、僕も車に1,000万は払えないが、それは経済的な問題であって、そういう車が存在すること。それは万人に認められる存在でなくてもいいこと。量産経済とは関係のないところに存在する、価値あるものがあること。を分かった上。

軽自動車しか走っていない公道より、フェラーリもマセラティもポルシェもアストンマーチンもＢＭＷもアウディもレクサスも走っている公道の方がずっと楽しい。そこに単車乗りが混ざって、９１１をハーレーが追い抜いていく光景があっていいと思う。オープン２シーターを愛する人に、「二人しか乗れないじゃないですか？」なんていうのはナンセンス。大勢乗れるからミニバンという思想より、二人しか乗れないけど楽しいから！という思想を持った人の居る文化が好きだ。

先日、同じ職場の人がクライスラーのボイジャーを買った。

「こんなエコな時代に、アメ車なんか買ってすみません。」
「でも、〇〇さんはああいうイカツくて、デカイ車が好きだって仰ってたじゃないですか？」
「そうなんです。ああいうのが好きでして…。」
「だったらＯＫじゃないですか？」
「……ですよねーーｗｗ」

こういうアメ車バカが居たっていい。問題なのは昨今の嫌煙ファシズムにも似た、なんとない流れが日本中を被いつくしているところだ。この風潮は面白さや深みをそいでいってしまうように思う。安いのは正義という文化より、手もお金もかかってます、だけどそれなりに高いですよ、というモノがあるのを認めてあげられる文化の方が豊かだと思う。

先ほど「クリアクリーンプラスホワイトニング薬用ハミガキ アップルミント」で歯を磨いた。

やはりとても気持ちがいいよ。


〔text.The Gag Council〕

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